巨人は悪天候の中で阪神戦（甲子園）に臨んだが、両軍無得点の３回表２死で降雨ノーゲームとなった。
この日は開幕から打率１割５分４厘と苦しむ長野久義外野手（３２）が、相性の悪い青柳が先発とあって今季初の“スタメン落ち”。
由伸監督から打線の軸の一人して期待される男は、試合前の室内練習場で映像を駆使して打撃フォームの修正に励むなど、復調に向けて突貫工事に乗り出した。

長野のスイング音が、屋根をたたく雨音をかき消した。
一刻も早く本調子を取り戻そうと、スマートな男が必死の形相でバットを振っていた。
ノーゲームが宣告される約３時間前。甲子園の室内練習場には、村田ヘッドコーチ、江藤打撃コーチに付き添われながら、本領発揮へ歩みを進める背番号７の姿があった。

.283 11本 42打点 16年
.251 15本 52打点 15年
.297 13本 62打点 14年
.281 19本 65打点 13年
.301 14本 60打点 12年
.316 17本 69打点 11年
.288 19本 52打点 10年

.293 14本 61打点 16年
.259 *7本 36打点 15年
.293 25本 85打点 14年
.282 18本 67打点 13年
.287 *7本 55打点 12年
.274 *6本 36打点 11年
.245 *2本 31打点 10年

今季中に国内フリーエージェント（FA）権を取得した巨人・長野久義外野手（31）。意思を確認しようと追いすがる報道陣に対し、「宣言しますよ！」と“驚弾”を炸裂させた。

8月に出場登録日数が7年に達し、国内FA権の資格を得た長野。ドラフトで2度も他球団の指名を拒否して巨人入りした経緯もあり、権利行使の可能性は低いとみられる。
だが本人が意思を明かさないまま記事にはできないため、シーズン終了以来、報道陣との追いかけっこが続いている。

悩ましいのが、長野が繰り出す冗談とも本気ともつかないコメントだ。
「FA？ 見れば分かるでしょう。荷物整理してますから。書類の準備してます」。ジャイアンツ球場での秋季練習後に沈黙を貫いたかと思えば、愛車の窓を開けてクラブハウスに向け、「お世話になりました！」と絶叫して走り去ったことも。

日本シリーズが終了した10月30日は、さすがにFA申請が可能になる前日とあって、報道陣側も「何かカギカッコで使えるのをお願いします」と有効コメントを懇願。
すると長野は「他球団の話も聞いてみたい」と真顔で答え、「1年待って（海外FA権を得て）台湾か韓国もいいですね」とぶち上げたが、冷たい視線が注がれただけだった。

ひるまず長野は「宣言しますよ！」と怪気炎。報道陣に「何の宣言ですか？」と追及されると、「ポーツマス宣言！」と高らかに答えた。日露戦争の講和条約の「ポーツマス条約」か、第二次大戦で日本に降伏を求めた「ポツダム宣言」を意図したものとみられる。

「今日もまた言質が取れずか…」と徒労感にうちひしがれる報道陣。だが去り際、長野は愛車のアクセルを踏む前にこう言い残した。「僕は番記者の人たちが好きなので、それが変わるのは嫌です」。この人たらしコメントをひとまず、残留の意思表明と受け取っておこう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00000013-ykf-spo